94XR600R整備レポート(その3)エンジン編

〇タイを走りだしました・・・しかし・・・

 前回のレポートのようにバイクは走る状態になりました。とにかく、このバイクを買った店まで行ってみようと思い、道を初めて走り出しました。バンコックで一番の名物はご存知「車の渋滞」です。そこをバイクで縫うように走っていかなければなりません。今日は日曜日なので渋滞は平日よりもずっと少ないのですが、それでもXR600の大きな車体はタイカブのようには、とても走れません。なんとか到着したバイク屋さんではめずらしく社長さんが居ていろいろな話をすることができました。彼は日本に長く居たので日本語はぺらぺらです。そして私のバイクの元オーナーを紹介してくれました。前の所有者のナット君は今はオンロードバイクに乗っていますがオフも大好きで次の日曜日にはモトクロスコースへ案内してもらいました。

 そうやって走るようになってくると以前から判っていましたがクラッチの滑りが気になってきました。まったく走らないのではないですが、ピークパワーが出る回転ぐらいで滑り出すのです。また、フロントスプロケットが付いているシャフトが磨耗していて新品のスプロケットが付かないのも気になります。3月にはアジアインターナショナルEDレースがバンコック近くで行われます。レースの準備としても、もうエンジンまで手を入れなければと観念し部品を発注することにしました。

やったぁ輸入成功!

前回の部品輸入では散々な目にあったので今度こそ失敗しないぞと心に決めて取り組みました。トライさんでパーツを発注したリストを元にしてインボイスを見よう見真似で作り部品価格も大変勉強!した価格として梱包に添えてもらうことにしました。また、今回は民間の運送会社を使うことにしました。さてさて発送してもらった翌々日には業者から電話がありました。タイ語はぜんぜん判りませんので会社のタイ人の同僚に替わってもらいパスポートのコピーなどをFAXしました。どうやら書類を作ってもらえるみたいです。郵便局ではすべて本人が作らなければなりませんでした。やっぱり民間の業者は対応が良かった。それから二日後、無事手元に届きまた、税金も安く済みました。(しかし、パーツの材質を調べてくれという注文にはびっくりしました。材質により税率が変わってくる様です。)

くそっ外れんっ!(エンジン分解)早速、エンジンをバラそうと取り組み始めました。しかし、シリンダーのボルトにソケットが届きません。仕方がないのでTレンチを買ってやってみましたが品質が悪く、いきなりソケット側がナメて空回りしてしまいました。結局9.5mmのボックスにエクステンションバーが無いのでユニバーサルジョイントをはめて、さらにハーフインチサイズに変換するジョイントをつないだツギハギのソケットでやっと外すことができました。やれやれ。Tレンチを3本パーにしてしまいました。クラッチ、クランクシャフトのボルトもなかなか大変な思いをしなければなりませんでした。こちらはインパクトドライバーにソケットつけてガンガン叩いて外しました。エアーのインパクトがあれば一瞬でしょうけど。とにかく分解してみるとクラッチのフリクションディスクは焼けているようです。それ以外は見た目では大丈夫そうです。

う〜ん、痛恨の失敗、大山さん助かりましたさて、今度は組立てです。ずいぶん手間がかかりましたがガスケットをきれいにはがし、新しいシャフトにギヤーを組み込みクランクケースを閉じました。ここまでは結構調子良く進んでいます。次にクラッチ側の組立てになりました。そこでまさかの大失敗をしてしまいました。クランクケース内から出ている8mmと6mmのネジがつながった特殊なボルトを力を掛けすぎて折ってしまいました。どうしよう。こんなボルト、簡単に手に入らない。日本から送ってもらわないといけない。たまたま明後日、両親がタイに遊びに来るけどもう一日しかない。大山さんにSOSを出しました。「よしっ、何とかする」という心強いお言葉。さてさて親が持ってきてくれたのは一品物の手作りのボルトでした。もう大山さんに頭が上がりません。ありがとうございます。そして、ちょっと欲張って鍛造ピストンも組みこんで私のアパートの部屋の中でエンジンは組みあがりました。

○ヤッター、エンジンが掛かったぞ! 私のアパートの一階にあるスーパーマーケットの買い物用のワゴンをこっそり拝借してエンジンを積んで駐車場まで運びました。う〜ん、重い!体重計で量ったらなんと42kgもありました。確かCRF450Rはわずか29kg!さすが軽いなぁ。慎重にエンジンをフレームに固定しオイルの配管や電気配線も元に戻しました。

次に今回、見栄を張ってオーダーしたアフターマーケットのマフラーを付けようとしました。えっ、どうやっても付かないぞ。何で?エンジンをもう一度外せば付けられそうですがもう外したくないし…。え〜い、無理やり付けてしまえ!シリンダーと干渉している部分をハンマーでホンの少し凹ますことで何とか付ける事ができました。まぁ、アフターマーケットでMADE IN USA.ならこんなもんかな。オイルをタペットキャップからもたっぷりいれて、いよいよエンジンを掛けるべく、キックを強く踏み込みました。ほとんど数発でエンジンは目覚めたのでした。さぁ、直ったぞ、これで思い切り走れるぞ!

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