試乗インプレッション
                                                           ■レポート提供者のHPです
車名が長いので640LC4SMに短縮してインプレをガルル風に語ってみましょう。今回870km程走りましたがその内訳は
一般道60%、高速道路12%、峠道24%、林道1%、天気は快晴という条件、燃費は23.8〜25.8kmと我がWR-Fと同等です。
セルのおかげで625ccのエンジンの始動は実に簡単、朝一発はチョークを引きセルボタンをプッシュ、ドドドドっという野太い音が心地よい。
30秒もおいとけばエンジン回転はすぐ安定しスムーズな吹き上がりになる。
WR250F並みの軽さのマグラの油圧クラッチを握り発進するとこれがビッグシングルのハイパーマシンか?っていう程フラットなトルク上昇で扱いやすい
エンジン特性だ。なんせ出力54.4PS、トルク60Nmってパワーだ。CRF450Fの56.4PS、50.7Nmと比べてみても遜色ないのでかなり心して走らせたのだが、、。
しかし発進して2秒位でデジタルメーターは70km/hを超えてる!やっぱかなり速いっす。コイツ。

デジタルメーターは超便利トリップメーター×2、
リザーブ後メーター、
オドメーター、
そして時計表示まであり

ガソリンキャップは
ネジ式じゃなく脱着式
■一般道
ギアは5速、各ギアの速度守備範囲は発進1速、20〜40km/h 2速、40km/h〜50km/h 3速、50km/h〜70km/h 4速、70km/h〜5速かなぁ。
スムーズに車が流れてれば大抵3速4速あたりでどっしりと気持ちよくクルージングできます。信号待ちでは足着きが気になるところだが
910mmのシート高は175cmのオイラだと少しカカトが浮く感じ、国産トレールよりちょっと高い位、でもこのシート硬すぎ!50kmも走ると凡人の
お尻は痛くなり始めます。サスセッテイングも硬目だしこれは要改善だなぁ。
セルだから長い信号待ちでのアイドリングストップも簡単!渋滞の列のすり抜けも840mmの全幅とF120、R160という、ど太いタイヤ(初期の
TWみたいな、、。)そして145kgという乾燥重量ながらマスの集中化のおかげでふらつかず楽勝楽勝!この安定感は横風にも強かった。
そうそう外見はしっかりした作りのバックミラー、これ全ての速度域でブレて見にくいです。これも要改善願いますm(_ _)m
水温計が付いてまして普段4目盛りが渋滞時5に上がります。(MAX7だったかな。)電動ファンがなく結構太ももに熱が上昇してくるので
心配しましたが5以上になる事はなかったです。マジ足つきのいい分WR-Fよりも断然街乗りに向いてます。
高速道路
硬目の足回りも高速道路では実にしっくりきます。特筆物は5速の懐の深さ!100km/hで巡航中、アクセルを2〜3cm位ひねれば瞬時に
+20〜30km/hの加速が可能、そのままひねり続ければどこまでも加速してしまいそうな感じ、Rが42Tと小さめのスプロケだったので
180km/h位出るんでしょうな、、コワま、しかし、前からの風圧がライダーをかなり攻撃します。ちょっと長めのフロントスクリーンが
欲しいくらいです。
また320mmФのブレンボのFブレーキは強烈なストッピングパワーなので高速では強い味方。フローティングディスクでロックする事もなく
ここでもタイヤとの相性のよさを確認できました。
    
峠道
一口に峠道といってもコーナーを攻める峠道と景色を見ながらトコトコ走る峠道があります。640LC4SMはまさに両刀使いなのです。
まず攻めの走りをしてみましょう。FピレリMT60R、RピレリMT60RSという少しブロックパターンの入ったこのタイヤ、かなり食いつきます。
コーナーの入口でRを計算し想定した角度でマシンを寝かすときれいに曲がります。グリップがいいのでモタルドレースみたく意識して
リーンアウトの姿勢を取る必要もありません。とにかく寝かせるタイミングが取りやすくコーナーをトレースしている間、タイヤのグリップ感が
実にリニアにライダーに伝わってくる、絶品です。トルクがあるので特に登りのコーナーが楽しいです。
次に道幅の狭い、でも景色が良いのどかな峠道、こんなところを3速で40km/h〜50km/hでトコトコ流して下さい。ビッグシングルっていいなぁ
ってしみじみ思います。ギアチェンジなんかいらない!エンジンの心地よい排気音と振動を楽しみながら都会の喧騒を忘れる。至福の瞬間。
多分、オイラも50歳越せばそんな640LC4SMの虜になっちまうんだろうなぁ。
林道
今回、正直林道は走ってみた程度です。高価なマシンで借り物ですからね。フラットな小砂利の少ない林道だったらゆったり走れます。
ただギャップの激しい路面ではモタルド設定のサスが圧側も伸側も硬くてしょわしょわ感がなく弾んだ感じで怖いです。
また、タイヤもエア圧が高かったせいもありますが砂利が多いと一気にグリップしなくなる感じ。そして何よりもハンドル切れ角が小さいので
小回りがきかない、これは思った以上に取り回しに影響します。ただ、乗った事がないのでいい加減な事も言えませんがアフリカツインや
BMWのR1150GSあたりよりはイージーだと思うのですが、、。北海道のスーパー林道などは気持ちよく走れそうですね。
■まとめ
640LC4SMは万能マシンだ。チョイ乗りから通勤からツーリング、しかも高速道路を使ってあっという間に距離を伸ばせる。(但しシートのソフト化は必須。)
不満のない余裕あるパワーと安心できる制動力、扱いきれる車重、前屈気味のロードマシンより自然な乗車ポジション。そしてフレームやサスの見事なまでの剛性感!
嫌味なくしかし能力を覗かせる迫力あるフォルム!その全てが「これぞ大人のマシンだ!」と言わんばかりだ。チャラチャラした若い兄ちゃんはまず似合わない。
おやじライダー諸兄!やがて辿り着くのはこのマシンだよ。お金貯めときましょ。
今日マシンをトライさんに返却して預かってもらってた我がWR250Fに乗り換えた瞬間、、、、WRが自転車みたいに感じる。軽くてフラフラしてしかもパワーがない!
セルもない、メーターもアナログ、そのくせシートだけ高くて「こりゃいつの時代のバイクじゃぁ!」ふと明治村の前輪のでかい自転車を思い出してしまったよ
■おまけ
この試乗に際して約10年ぶりにヘルメットを新調しました!新しいヘルメットはFOXのパイロットプロ、Jスチュアートレプリカ。カーボン&グラスファイバーを使った軽い一品。
SHOEIのVF-Xと比べると外観はかなりでかい。被った感じは国産のようなほっぺたまでタイトなぴったり感はなくMXコースを走る時はひとつ小さめのサイズを使った方が
いいかも。ツーリングには丁度いい。特に高速走行でのバイザーから受ける風圧はVF-Xの頭を持ってかれる感じと比べてフルフェイス並に少ない。これは驚異的!
少しチンガード部分が長いので下を向いて地図を見るなど邪魔な感じは否めないが上下にベンチレーションが施してあり真夏でも快適間違いなしだ。
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